* 材料(7×14cmパウンド型) *
無塩マーガリン 100g (a)
砂糖(上白糖) 100g (b)
卵M玉 2個
アーモンドパウダー 30g (c)
薄力粉 70g
ベーキングパウダー 2g (d)
牛乳 大さじ1
バニラエッセンス 少々
* point *
- お金のある人は無塩バターを使えばよいでしょう。
でもマーガリンの方が練りやすいです。
- グラニュー糖の方が焼き色は薄くなるかも。よう分からん。
上白糖の方が溶けやすいので私はこっちを使ってます。
- 多少高いですが、やはり格段に美味しくなるのでこれくらい贅沢しましょう。
パン屋さんとかで、ちょっと安めで量り売りしてくれる所もあります。
薄力粉に変えてもいいとは思いますがちょっとパサつくかも。
- 丁寧に作れば、バターの気泡の膨張と水蒸気だけで、つまり
ベーキングパウダーを入れないでも膨らみます。しかし
これらの力は、十分に発揮されるのに時間がかかるので
粉が固まるスピードに押されて(?)多少重めの仕上がりになります。
ベーキングパウダーは、加熱したときの即効性がよいので
あえてこれを加え、加熱の初期段階で生地を持ち上げることで
軽さを出のです。
* 手順 *
- ボールで卵を溶きほぐし、砂糖を全て入れ、湯煎にかけて完全に溶かす。(a)
- 別のボールでバターを完全に室温に戻し、泡立て器でクリーム状‥、
むしろマヨネーズ状まで練る。(b)
- 1.の卵を、2.のバターにかなり少しずつ加え、その都度よく混ぜる。(c)
- アーモンドパウダーを加えて混ぜる。バニラエッセンスも加えて混ぜる。
- 牛乳をレンジで加熱して加えてよく混ぜる。沸騰してもいいです。(d)
- 薄力粉とベーキングパウダーをあわせてふるい入れ、混ぜる。(e)
- バターを塗って薄力粉をはたいた型(テフロン加工の場合は
バターだけでもたいがいきれいに取れます。確実性を求めるならオーブンシートを敷きこみましょう。)
に入れ、170℃くらいのオーブンで50〜60分焼く。(f)
- 焼けたらオーブンから取り出し、粗熱が取れたら型から取り出して冷ます。(g)
- さめたらラップにくるみ、1,2日ねかせます。(h)
* point *
- 一般的なレシピでは、バターを砂糖に練りこみ、白っぽくなるまで
よく混ぜてから卵を加えるものがほとんどだと思います。
しかしそうすると砂糖の粒が残りやすく、がりっとした食感が残ってしまいます。
それはそれでカントリーっぽくておいしいと思いますが
私の求める「きめ細かくてしっとり」した食感を実現するには
砂糖は完全に溶かしたいところなので、このような手法に至りました。
それにしても、なんで砂糖とバターを先に混ぜる必要があるのかが
いまだに疑問です。(b)の話とも重複するのですが、
バターに細かい気泡を含ませるのが大事なのは分かるんですが
砂糖を入れたら気泡を含ませやすくなるのかしら?でも、
砂糖にバター入れたって絶対溶けないんじゃないんでしょうか。
砂糖とバターをふんわりするまで混ぜるという行為には
バターにケーキを膨らませる核となる気泡を含ませる、という意味が
込められているのではないかと思うのですが、こうして焼くと
きめが粗くなりがちな気がします。よっぽど丁寧に混ぜきらないと
含まれた気泡が粗いままになってしまい、出来上がりのきめも
粗くなってしまうのではないかと推測しました。
バターに水分が混ぜられているというだけで
膨らませる力は生まれるはずだと考えたので、砂糖を完全に溶かすことと、
バターに余分な気泡が含まれないようにすることを重視しました。
また、ここで湯煎にかけることで、あとでバターに混ぜるときに
分離しにくくなります。詳しくは後ほど。
- 電子レンジの弱で30秒くらい加熱するのも一つの手です。
お菓子作りになれた人なら、「うっかりして溶けちゃったら水の泡じゃない!」と
思う人かもですね。溶けてしまうことで生じるのには、風味の問題もありますが
クリーミング性の問題が大きいかと思われます。
クリーミング性とは、攪拌することで細かい気泡を取り込む性質のことで
パウンドケーキはこの気泡を核にして膨らむものだというのが一般的です。
クリーミング性を示すにはバターの結晶が細かい状態でなければならず、
一度溶けてしまったバター不安定な結晶になり冷蔵庫え固めても戻りません。
ですが、前述の通り、私のレシピでは気泡を含ませることを
特に重視していないのでちょっとくらい溶けてしまっても問題ないと思われます。
が、溶かしバターにしたらうまくいきませんでした‥。
液状になってしまうと逆に無駄な泡が増えるってことでしょうか。
というわけで詳しくはよくわかりませんのであしからず‥。
- きめ細かくしっとりした食感のための一番の敵は分離です。
分離しても、薄力粉を混ぜたら一見まとまった生地に見えるんですが
単純に考えて、分離した生地にそのまま粉を混ぜたら
「固形部分と粉な部分」と「液体部分と粉な部分」の差が出ると思いませんか?
それではごわごわ、もそもその焼きあがりになってしまいます。
というわけで分離させたくないのですが、油分と水分は
普通にやったら絶対に混ざりません。そこで登場するのが
卵黄の持つ乳化作用。これが卵とバターを混ざらせてくれるのです。
ただ、そう強い作用ではないので、丁寧にやってやらないとすぐ分離します。
例えば、冷たい卵を加えたとしましょう。せっかく柔らかくなったバターが
冷え固まり、分離しやすくなります。また、卵を一気に加えても、
一気に水分が加えられることになるので分離しやすいです。
卵を湯煎にかけて温めておく、そして少しずつ加える、
という手法を用いることで、分離を避けやすくなるのです。
こうして丁寧に混ぜられたバターと卵は、マヨネーズみたいに
きれいにつるんとなめらかになるんですよ。
- しっとり感には、やはり生地に加えた水分が直接影響します。
というわけでもうちょっと水分を加えることにしました。
かといって水を加えても味気ないので牛乳で。洋酒でもいいかも。
これまた、分離を避けるために温めて加えます。
- 粉を混ぜるときによく言われるのが、ゴムベラで、練らないように
さっくりと混ぜる、ということ。グルテンとは、
小麦粉に水を加えて練ることで生成するタンパク質で
コシや粘りを生むもととなります。ふわり、ほろりとした食感には
このグルテンが育ちすぎては邪魔になるので、なるべく抑えたいところ。
さっくり混ぜるのは小麦粉のグルテンを成長させない、
というのが目的なわけですが。ここでバターの持つもう一つの性質をご紹介。
ショートニング性と呼ばれる、小麦粉のグルテンの生成を抑える性質です。
バターがたっぷり入ったパウンドケーキの場合、多少乱暴に混ぜても
そうそうグルテンは育ちません。むしろ、おそるおそる混ぜて
時間がかかってしまったり、均一に混ざらない方がよっぽど問題です。
ゴムベラって意外とダマが出来やすかったりするし、
粉を加えたら泡立て器でそのままぐるぐるっと混ぜてしまってOKです。
つやのあるなめらかな生地になるまで、手早く。もちろん混ぜすぎはダメですが。
- 焼く時の温度は、オーブンの性能、庫内の広さ、型の素材によって変わります。
基本は「ちょっと低めで長め」ですが、それぞれでちょっと研究してみてください。
ちなみに、紙製の型は、どうがんばっても毎回うまく焼けません。私は。
避けた方が無難だと思います。小さく焼く時とかはあまり問題ないのですが‥
10分くらい焼いたところで表面にナイフなどで切り目を入れておくと
きれいに割れて焼きあがります。普通に焼いても割れますが、その場合
割れ目が真ん中だけになって、そこだけぽこっと盛り上がってしまうことが
多いです。切り目を入れることで、端まで均等に割れて、割と平均的に
膨らませることができます。あと、これは推測なのですが、途中で切り目を入れて
ガスの抜け道を作ることで、気泡が大きくなりすぎる=粗くなるのを
防げるような気がしないでもないです。
- 水分の多めなレシピなので、焼き上がりはちょっと柔らかめで
崩れやすくなっています。そしてものすごく熱いので、焦ると
あぢぢぢぢぢ!がたんっ、ぼろっ‥という状態に陥りやすいです‥。
(え?私だけ?)ある程度冷まして、生地が落ち着いてからでも遅くないです。
- このしっとり系レシピで作ったパウンドケーキの食べごろは
焼きたてあつあつ時(しっとり、ふんわり、とろける感じ)か
冷まして1〜2日くらい寝かした頃(しっとり、ほろっとした感じ)
ではないかと思います。まぁ、私の好みのなので、お好きにどうぞ。
長々と失礼しました。まぁ、参考にしてみてください〜
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